エンジニア感覚は甘かった
赤帽宮城との契約では、運賃の支払いは働いた翌々月の20日だったので、最初の仕事である12月分の支払いが行われるのは、2月20日頃になる訳です。
つまり、サラリーマンで言うところの初任給が出るのは、既に3ヶ月目に突入している2月20日になるシステムです。
キチンと説明を受けて理解していたはずが、エンジニア感覚はお金を扱う感覚は甘かった。
これは赤帽宮城の支払いが遅いのではなく、赤帽宮城の顧客が沢山ある中で、支払いが遅い企業もあれば、支払いの早い企業もあるのですが、沢山いる赤帽組合員の中には、支払いの遅いタイプの企業の仕事ばかりしている人もいる訳です。
その会社の入金まで運賃が頂けないのでは、そうのような組合員の生活が苦しくなる。
そこで赤帽宮城が、赤帽全員公平に翌々月の20日に入金するシステムです。遅い企業の仕事ばかりした赤帽さんも、組合が前倒しで支払ってくれます。
このシステムだったのですが、私はちょっと商売人として甘かった。
サラリーマンの思考グセ
早朝5時から夜20時や21時まで土日も含めて働いていたので、それなりの給料(初月分の運賃支払いの意味)だと思ってました。
サラリーマンの思考パターンですよね。毎日、残業して働いていたら相応の賃金があるって。
新人赤帽が効率よく働けている訳が無いだろう。
と
今の私なら思うけど、当時の新人赤帽の私は、頑張ったんだから、それなりの初任給だと思ってました。
ところが、、、繁忙期の12月の宅配で、1ヶ月休みなしに早朝5時頃から夜8時労働だったにもかかわらず、新人の私の運賃は信じられない結果でした。
恥ずかしいけど、私の手応えは、その二倍以上を期待してました(笑)
外食費かけ過ぎ
初月運賃が新人の効率悪い仕事なりの運賃だった。
それに加えて、毎日妻と二人でケーキ屋さん、朝昼晩と外食したもんだから、赤字ですよね。
地図など初期費用が予想外に大きい
更に、赤字に貢献するのが開業当初に必須となる、ゼンリン住宅地図(当時は紙で巨大な地図でした)を仙台市内全域をフルセットで買うだけで、当時の実売で確か7万円くらい?
更に、宮城県地図や東北地図、全国地図とか色々と揃えていると、あっという間に地図だけで10万円。
業務に適した手袋やらジャンパーやら安全靴、ヘルメット、荷物固定用の器具、輪止め、次から次へと出る初期の出費。
それ以外に赤帽車のローンがあるし、ガソリンなどの引き落とし、まあ、計算する気も起きないパーフェクトな赤字でした。
商売人になるまで
今になって思えば、赤帽になった段階で、既に私は商売人であるべきでした。
だからお金の計算が出来て当然でしたが、その頃はまだ金銭感覚に疎い元エンジニアの思考パターンでした。
ちゃんと赤帽組合からは締め日の2ヶ月後の入金だと聞いていたし、締め日には再来月の入金金額だって分かっていた。
それに応じた経費の使い方をしていたら良かったんですけどね。
何しろサラリーマン癖が染み付いてたので、「お金は仕事の後に着いてくる」そんな能天気な考えでした。
実家に借金
結局、開業当初に毎月の赤字を出していたので、実家に200万円の借金をしまして、それを完済すると言うか黒字になるのに時間を要して、200万円完済するのは、それから5年くらい先だったと思います。
この話は、赤帽全員が赤字になる話ではありません。私が技術バカだった為に赤字を出した。ただ、それだけ。
赤字経営に気がつくのに3ヶ月目になっていたので、だから赤字が増えていたってことです(笑)